正確な記憶

子供の頃いじめをした経験はだれしもあるかと思う。自分が弱いものいじめをしたり確実な悪意のもとに動いた、その記憶を大人になるまで正確にキープできるものだろうか。それともそれは時間に覆われて、ほぼ全てが忘れられるものか.子供は残酷だと言うが,いま成人している人々もみんな子供だったわけで,大人になってその残酷性は失われたかのように何の問題もないようにふるまっていることにそらおそろしさを感じる.
10年前公園で猫をいじめていたあの高校生たちはもう大人になっているだろう.中には父親になっているものもいるだろう.猫を棒でつついたその手で赤ん坊をあやすこともあるのだろう.彼らはあの情景を忘れただろうか.それとも覚えていて笑い話にしているだろうか、
「高校の頃はやんちゃで」。
私も幸福にも忘れていることはたくさんある。覚えている悪意もたくさんある。それらから自由になることは、できないのだと思う。

なんでこんなことを書いているか?いま読んでる小説が、記憶に関する話だからです!根深い性格が露悪してますね

コーラスを買った.一条ゆかりの「プライド」はいつも読むけど実際に買ったのは初めて.他の話で,彼氏からの手紙を待ち続けてる女の子を見てシニカルになる女の子の話があったが,待ちたいという気持ちも,冷静に見れば待っても無駄だと思う気持ちも,両方わかる.でも無駄に待つなんて,できればもう人生でしたくない.