Terrifying

モンスター プレミアム・エディション [DVD]

モンスター プレミアム・エディション [DVD]

これは・・・もう、圧巻。クリスティーナリッチ、見事にふがいない女子セルビーを演じきってた。彼女に苛立つことしきり。リーに世話をさせることが当然と思っていた彼女。リーと会ったときはいい感じの子だったのに、「売春、なんでやめるのよ」とセルビーに言ったり、裁判で冷酷にリーを指さして断罪するところなんかは・・見ていて、リーがかわいそうで、辛くなった。旧友の売春の話を聞いたのは随分前。多分借金ゆえ。どうしてもそれしかないからしたんだと思う。リーを見てそう思った。女を金で買う男たちを、体を売ることしかできずにそれによって食べてきたリーが・・殺すのって、なんだか、わかる。リーに深く同情する。少女的ともいえる男嫌いーーにある程度共感するから、殺される男たちに対してかわいそう・・とあまり思わないのも問題か。
吉田秋生の「吉祥天女」でも、主人公の小夜子は自分を「性的」な存在としか見ない男たちを、彼女を想像上で、または実際に犯そうとした男たちを、殺す。でも、それだって、それしかなかったんだと思う。自分が「性的存在」であるという恐怖は、女子にはつきまとう。それって、いつ消えるものなのだろう。愛を知ると?でもそれは愛なの?