読・内田樹

身体(からだ)の言い分身体感覚、を軽視すると微かな不快が知らないうちに鬱積する。私はイヤなことがあると胃がてきめんに痛くなり、最近は心臓にも負担がきた。たいしたことはないが、昨日の三砂さんの本と合わせて、もっと身体の声を聞こうと思える。「こ、ここはおかしい場所かも」「この人怖い」と思うと体がこわばる。風の気持ちのいい午後はやたら調子がよかったり。まあ、いつかそのうち死ぬんだし、具合いい方がいいかなと。どこかの編集者が持ちかけてきたという「正しい老い方のガイドブック」の企画に対する内田さんの反応が面白い。19歳の時に「若者が陥りやすい間違いは、人生がまだまだ続くと思っていることだ」ていうようなことを生と自己とスタイルとで読み、「そっか、明日にも死ぬかもだ」と思って以来、どうもmy whole lifeが無計画で、「正しい×の付け方」どころか来年のカレンダーが真剣に未定という状態なので、さすがにそこには自分でも突っ込みを入れておきたい。他にも色々面白い知見が紹介されている。論争はコミュニケーションにいい、とか。まあ、それはなあ。私はこの青春が冷めた白けた時代にあたる世代でよかったと思っている。いや、hotなのかもしれないけど、バブルや全共闘などの「あの時代は一体・・」みたいなとこにあたっていたら、いてもたってもいられなかったかもしれない。