Reaction

昨日のトークショーで、運悪く、やたらと相槌をうつおばさんの横になってしまった。その相槌たるや、「今日は(はい)オムライスに(へえ)ケチャップではなく(ほおお)ソースを(えええっ?)かけようと(うん)思います(あははは)」こんな感じ。左隣の人はやたら笑う人だった。まあ、苛々したのだけど、「この人たちはなんでこんな反応を身につけたのだろうか」と気にもなった。笑いのツボが違うとかいうレベルを超えていたように思う。
人生において、「あなたの話を聞いていますよ」というメッセージを常に語り手に伝え続けるという必要性を人以上に感じていたのだろうか。感じざるをえない事件があったのだろうか。どんな場所にもやたらナルシスティックに頷く人というのはいるものだ。「あなたの話は退屈です」というメッセージを暗に出すことは、エチケット違反だと言えるだろうけれども(とはいっても大抵の場合そのメッセージはだだ漏れしてしまうし、それに気付かない(ふりをしている)語り手は「つまんないって暗に示してるのに気付かないバカ」などと言われてしまう。メッセージをめぐる権力構造。)…。右隣にいたうるさいおばさんは、トークショー前に友人とおぼしき人と話していたのだが、そのときはわざとらしい反応をしていなかった。せいぜい「へえ」くらいで。っていうことは、個人的なコミュニケーションでは「相手を承認する」という態度をあまり打ち出していないことになる。*1トークショーという一応客が黙るものとされる場所であんなに喋ってしまうっていうのはなんなんだろう。あれはほとんど暴力だった。「感じがいい」という暴力は一番悪質である。…うーん。私性格悪いなあ。

*1:このことから、「事件」は多分個人的なーーたとえば、初めてつきあった人が、彼が喋っているときに彼女が反応を示したりふいに話題を展開させたりすれば元の自分の話に戻し「○○だよね?」「聞いてる?」などと念を押すタイプであったとか、彼女自身が話をするときに是認されないと不安でしかたなくて夜も眠れなくなるとか、ーーそういうタイプのものではないと予想がつく。