自分にインタビュー

手に入ればしあわせだなと思っても手に入ればこの世界を変えるものはないだろうし/そういえば二元論のどちらにも属せないと気付いてしまったし/後悔した瞬間を何度も夢にみてその時だけには戻りたいけど人生のリプレイなんて厭で仕方ない/

ーーえっと、最初の一行はどういうことですか?
いや、「この服買ったらもう幸せ!」とか思えなくなったなあということで。掃除したら気分が変わる!とか。まあ、ちょっと爽やかな気分にはなるんですけど、どうせすぐ汚れるし(笑)。これやればこうなる!みたいなブリトニ‥いや、ブリリアントな未来が描けなくなりましたよね。
ーーそれは、長期的な展望だけでなくて、日常においても、ということですか。
スパンの短い長いに関わらず。気分転換にも希望を見いだせない。こうなりたい!とかもないですね。
ーー「どこにいても私は私」というふうにも読めるんですけども。
うーん。それはないですね。別に確固たる私がどこにいてもある、とか全然思ってないです。場所だけじゃなくて、会ってる人によっても随分態度が違います。話す言葉によっても。
ーー何かを境に世界が変わるということは世界の分断と言えますが、「二元論」も世界の分断ですよね。分断されるのは好きではない?
そうですねえ。好きではないというより、たまたま分断されないんですよね。二元論って、まあ18歳のときに知ったコンセプトなんですけど。男/女、東京/田舎、とかで。たとえば男/女なんかだと、そういえばオヤジの批判とかするのめっちゃ好きなんですけど、じゃあ女だったら無条件に共感できるかっていうと全然そんなことはなくて。
ーー「自分は女というわけでもない」という?
うん、少なくとも男ではないなーとは思うんですけどね。分別のある女にもない女にもなれない。だいたいの二元論において、どっちにも属してもどうにもならないだろうな、ていうスタンスですかねえ。まあ、諦めですよね。
ーー人生のリプレイ?
えーと、これは数年前に中年の男性に「やり直すとすれば何歳から?」と聞くと、「幼稚園から」ていう答で。ポジ夫やなーって。私は面倒だな。失敗も成功もいいことも悪いこともあったと思うんですけど、でもじゃあ成功したらその後が明るかったかっていうとそうでもなくて。失敗したら長くいじいじしますけどね。学校って面倒じゃないですか。つまんない授業聞いたり、恋したりって。
ーー恋愛があまり好きではないのでしょうか。
うーん、いや、嫌いではないですけどね。かっこいいなあとか素敵だなあとかあったかいなあとか、そういうのって、まあ楽しいじゃないですか。でもまあ、恋をしたら幸せだとか不幸だとかは思わないです。
ーー暗い人生観をお持ちのようですが、人生で楽しかったことはありますか?
ないですね。あー…アホな友だちとアホやってるときは楽しいですね。ピンポイント的には、昔、すんごく好きな子がいたんですけど。その子と8年ぶりくらいに再会して、いい男でいてくれたのは嬉しかったです。名前も覚えててくれて。今じゃもう忘れているかもしれないですけどねえ。
ーー今日の予定は?
多分卒論のための読書でしょうね。心底焦っています。
ーー卒論のテーマを伺ってもよろしいですか?
えーと、小説の、文体と雰囲気の関係。リアリティと幻想。でも基本的には小説読みじゃないから、よくわかんないんですよね。卒業したいだけです。
ーー小説も書いているそうですね。
別に、たいしたものは書いてないです。妄想しないとやってけないんですよ。
ーー今日はありがとうございました。
こちらこそ。いつもはてなに無闇にエントリを増やしているだけですから。

【追記】インタビュー形式をとると、質問があって答があるというスタイルに無理があるということを感じます。