- 作者: 前原滋子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/08/11
- メディア: コミック
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どうして抱かれなかった男ほど/思い出すたびせつないんだろう/忘れられないんだろう/いっそなるようになってたら/いつかは冷めたかもしれないのに…/(略)/睦月…そうして あなたは私を 永遠に 誘惑し続けるんだわ
これはこの漫画最大の決めぜりふだな。掲載誌で読んだときも「おおー」と思った。この漫画は、やたら純。今みたいに「大人の○○」みたいなフレーズがここかしこに掲げられる前に「大人の女性のためのラブストーリー」を打ち出した。私のイメージでは大人ってすれてて、「メリークリスマス」くらいの軽さで「好きだよ」とか言えちゃうような、「もう恋なんてものは終わったさ」みたいな、「描いていた家庭とは違ったけどそれなりに幸福だと思うよ」みたいな、つまりは「この現実のなかでもなんとか遊んでいけるつもりさ」みたいな、「気晴らしの方法はこころえたさ」みたいな、「不倫も純愛ってことにしとく?」みたいな感じ。この漫画は、勝手な(というか途中からただ楽しんでました的な)大人のイメージとは全然合わないのに「大人の女性のための…」で興味深い。この話を初めて読んだのは18歳で、まだ周りもじぶんもしがない夢見る浪人生で、‥当時の方が共感してたかもしんない。「永遠に 誘惑される」なんていいなあってね。