きっと一生わかりっこない。

ふと口にした言葉がみょうに心にのこることはあると思う。前に衝撃を受けた言葉を、何度も思い出してしまうのでブログに書くことにします。
 3年くらい前。大学の同学年の子たちと3人で話していた。女、女、男で。それで、なんだか「子供を持つ」話になった。そのときに、その男の子が言ったことなんだけど、

「(自分とつきあってる、ないし結婚している)女の人が妊娠したって、僕の子かどうかはわからないから、僕は信じるしかない」

 私や、そこにいたもう一人の女性からしてみれば、「あんたの子やろ、それは。確実に。」ってなもんだけど、そんな疑いを少しでも持つことに、驚嘆した。その男の子は、別に猜疑心が強いとか、ものごとなんでも疑心暗鬼とか、世をさいなんでいるとか、ニヒリズムに酔っているとか、ロマンティシズムを生きているとか、そのような兆候はなく、フラットで、うんと利口な子だ。その彼が、「ほんとに俺の子なの?」なんて、特別にパーで無責任で無自覚な男しか思いつかない、とそのときまでは思われた疑念を持っている、という驚愕の事実。異性って理解できないものだなあ。と思った。
 まあ、そんなこと言ったって、異性でも同性でも、同世代でも異民族でもなんでもかんでも、理解できないし、他者ということに限定しなくても、自己という他者だってよくわからないんだ。誰かがその自己に対して下した自己評価がどれほど限定的で自己満足的でも、それよりも他の誰かが下した評価の方が客観的で正しいとは言えないし。また、"客観的だから正しい"と言うなら、それは乱暴な論理。
 眠くてしかたない。寝ようっと。