君に届け 1 (マーガレットコミックス)

君に届け 1 (マーガレットコミックス)

別マ適齢期は過ぎたかと思われるので、というかこの年で高校、大学のラブなんかを読むのはなんだか疲れ切った心がついていかないので、別マは恋カタを途中まで見届けて読んでいなかったけど、もう少女漫画!ってのが読みたくて、少女漫画色が見るからに強そうなこの漫画を買った。(そんな私の心模様は別に書く必要もなかったわけだが。)
えー、風早くん(本の写真右の男の子ね!)。かっこええ。なんかね、もう目立たない女の子が、妄想を奮い立たせて思い浮かべそうな、やさしくてソフトで、気持ちの強い男の子ですね。なんか、”私をわかってくれるあの少年”、みたいな。類似のかっこよさは、フラワーオブライフのハルくんなどにも見られる。

はじめて読む、この作家。だいたい、読者と作家は同じように少女誌〜女性誌、みたいに読む幅、描く幅が変化していくもので、自分の世代とひっかからなかった作家にはへたしたら全然タイミングが合わないことだってある。この作家もその一人ですけど。たまに漫画を読んでいて思うのは、これは、ストーリー云々じゃなくて、絵で価値を獲得している、絵で差異化している、ーーという、「このストーリー、どの雑誌にも載ってそうだな」っていう、没個性的な物語が増えたということだ。増えたというか、前からそうだったのかもしれない。同じ構図、同じストーリー、台詞で、たとえばいくえみ綾さんが描くと、いくえみ色の出た漫画になるんじゃないかと思う。いや、いくえみさん、っていうのは言い過ぎかな。で、このコミックの作家は、すごく絵がキュートだ。そこが強いんだろうな。