川上弘美さんの場所エッセイ

此処 彼処 (ここ かしこ)

此処 彼処 (ここ かしこ)

一年ほど前に買っていたのに、すこししか読まず、いまになってしまった。でも、今日が、これを読むのにふさわしい日だったのかもしれないって思う。
今朝のはじまりは、昨夜の終わりからのゆううつを引きずり、午前中にしたことといえば、お別れのメールをしたため、送信できずに、寝入ってしまった、というものだった。まあ、消耗していたのだ。
しかし、行く場所もあったから、とりあえず、なにか本を、と思って手にしたのが半ば放っておいたこの本だった。こんど朝が今日のように始まったら、私は荻窪から丸の内線に乗るだろうな。きっとそうするだろう。男の子と哀しい会話をすることがあったら、私も猫を感じられればいいなあ。
布団にくるまっていた朝が終わったら、けっこう空は晴れていて、用事がすんだら、喫茶店に入り(そこでこの本の大部分を読んだ)、帰りにうどんと豚肉をすこし買って帰った。帰ってうどんをつくった。
なんか、この本が今日いてくれてよかったーって気がした。