ブルーな気分、って、案外、きれいな気持ちなのかも。

青の時間―THROUGH THE LOOKING‐GIRL

青の時間―THROUGH THE LOOKING‐GIRL

永瀬沙世さんの写真集。彼女がモデルをやっていた頃、モデルをクローズアップする連載で、彼女は写真家になりたいと言っていたんだった。もう廃刊になったその雑誌を、私は大好きだったのだ。
昨年末くらいに、彼女が写真家になっていることを知った。なんか、嬉しかったな。でも、どんな写真を撮るのだろう? って思っていた。
この写真集の中には、複数の女の子が出てくる。男の子も一人だけ。
女の子の写真は、ほとんどいつも、ーーそれは全然、悪いことじゃないというか、当然のことだけど、どう写ればかわいく見えるのか、計算された顔になる。顔の角度とか、口角とか。それは、ある意味で「素」の部分(「自意識」という部分)が出ているということなのだけど、そういうのを見るたびに、私は、なんだかどうしていいのかわからない気持ちにもなっていた。自分にもそういう顔はあるんだけど、「そうじゃない顔を見たい」と思ってきた。
その、「そうじゃない顔」が写っている。そういう写真集だと思った。
マルマルじゃない、なんて、規定しない方法で、言うことが失礼でなければいいのだけど。


永瀬さんのインタビュー発見。
http://www.petit.org/feature/001/
女の子と恋について話すために恋をしていた、ていうのは、なんかいいなと思った。私は、話ながらも、ああ、いつも恋のことばかり喋って、なんか男の子以外に話すことないのかなあ、って半分あきらめていたから。でもそんなこと、ないんだよね。


堀江敏幸さんの寄稿は、読んでから、写真を読み返すと、写真がちがったふうに見えるような、すごくいい文章だ。