個人的にはたたかいは終わったと思う連中は、そう信じることで自分自身をあざむくことはできる。でも、その姿勢はただ、いまだに続いているたたかいに自分は加わらないよと、表明しているにすぎない。でもね、黒人であるかぎり、逃げることなんかできるものですか。ブルースだってただの唄―黒人女性のマニフェスト (朝日選書)
- 作者: 藤本和子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 1986/05
- メディア: 単行本
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(p84)
特徴で人を分類すると、その特徴ごとに集団になる。その特徴がたたかいを要するものだった場合(そんなこと気にすることないよって言われたとしても)、その集団に対して一様に示される偏見は、集団に属する個人の人生と心におとし込まれる。そのときに個人的なたたかいを終えることがたたかいの終わりになりがちだけど、それじゃ「私はもう差別されても大丈夫。強くなったもの。まだ苦しんでる人のことは、知らない」ってだけなのかーー