不快感とか世界とか。

「腹が立つ」とか「目障りだ」とかいう言葉のかわりに、「驚き」と使っていたことがある。それを使い始めたのは、予備校にいた頃か、大学に入った頃か、東京にはぶつかったら「チッ!」と舌打ちをする人がいる、ということを話していたとき、「ビックリする」と、かなり素直な感じで言っていた友達がいて、そうかー「ビックリ」とか「驚き」とかいうふうに言えばいいんだ、って思ったときから。
でもその素直さが、やっぱり模造品なので、「驚き」はたんに「本当はその人のことを不快だと思っている自分を隠す」ための言葉になりつつあって、なので最近は「腹立つ」とか言うようになった。*1
たんに不快なだけなのに、「マナー違反」と言ったり(電車内でのお化粧とか、友達と喋っている人は許せるけど携帯電話での会話は耳障りだったりとか)、なんかいろいろ、自分が不快感を示している(不快だって思っちゃう人間である)ことを隠すための言葉はある。それは自分を安全な位置にあらかじめ置いておくけど非難はしたい、という行為で。
でもまー、基本的に、不快感を示したもの勝ちみたいな風潮も、それはそれでダムイット!だなと。愛している対象が広いほうがずっといいのだ。

*1:でもその「腹立つ」も、本当はちょっと凹んでる自分を元気づけるための言葉である場合もあって。