東京。

東京に来ている。ときどきは来ているんだけど。
昨日は吉祥寺に行った。飲み会後に学生たちが円陣をつくって離れがたいように雑談しているのに過去の自分を重ねて、その人が通っていたパン屋に行った。店員さんがおばあちゃん二人で、歳を重ねても仕事をしているっていいなと思った(昔はおばあちゃんじゃなかったし、その頃おばあちゃんじゃなかった人がおばあちゃんになるほどの時間は経過していない)。そこで買った甘い甘いドイツのお菓子をいま食べている。
また東京に戻って来ることはあるだろうか。わからない。東京で過ごしたのは生きづらさを抱えていて、それを抱えていることが恥ずかしいと思っていた頃だ。できないものはできないし、できないことにもう時間を費やさない、と決めてからは少し楽になった気がする。
わたしはずっと自分は弱者だと思っていた。勉強も運動もできず、クラスメートと笑うこともできない、みじめな子供時代が影響しているのか。とにかく何をやらせても不十分で、気遣いもできない、足りていない子供のまま大人になったような人だった。許容量も小さくて、会社員になっても、その後時間を経て新たな仕事に従事しても、本当は逃げ出したいような不全感に満ちていたと思う。社会の迷惑にならないように一応仕事はしているというだけだった。そのとき、その真摯な仕事ぶりで仕事の面白さを教えてくれた先輩や、私に何ができるかを考えて、自由に生きればいいんだと言ってくれた先輩には感謝にたえない。
最近、私はいつまでも弱いと思っていちゃいけないんだなと、今更だけど腑に落ちた。細かいことを言えば今でもなんらかの隷属を抱えているし、できないことはしたくないけど、別の困難だけどやりたいことをしようと思っているし、いつの間にか、自分は弱いといって自分を守り続ける必要がなくなってきたと思う。
まあ、基本的には阿呆だし、ときどきは甘えん坊しますけどね。