1984年

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

最初に読んだのは2000年頃だったけど、そのときは、この本のような世界にまさか生きることになるとは思っていなかった。

自白は裏切りじゃない。何を言おうと何をしようと、それは問題にならない。感情が問題なんだ。かれらの手によって君に対するぼくの愛が消えるようなことがあれば、それこそが裏切りというものだろう

感情ってどうして軽視されがちなんだろう。「感情的」という紋切型の非難文句で感情を片づけてしまっていいのかと思う。言葉を奪われても、時間を不本意なことも使わざるをえなくても、それでも感情を引き渡しはしないぞって決意したい気持ちはある。
感情を奪われてしまう、未来に続く現在はとても怖いものです。