ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

読み通すのにけっこう時間がかかった。内容のせいでなくて、たんに私の怠惰のせい。なんかすごいなって気がしたけど。
関連して、
「新潮」7月号の梅田望夫×平野啓一郎の対談も読んだ。翻訳はグーグルもむずいんじゃないかっていうのがおもしろかったな。くしくも「大航海」の最新号で、柴田元幸が翻訳ソフトについてエッセイを書いていて、それが小説だと気づくまで、いまの時代ってどういう時代だったっけ・・・と混乱。
この対談では、インターネットと世代の関係についてもいろいろ言っていて、世代論ってわりと忌避したほうがいいものっぽいと感じられるときもあるけど、やっぱちょっと世代の違いってあるなーと思った。
平野さんが若い世代にある、無邪気で功利主義的な人間観に拒否感を示していたのがおもしろかった。

僕にはどうしても、一個の人間の全体が、そんなに社会的に「有益」であり得るとは思えない。

とか言っていて、なんだかかっこよかった。
ちなみにこの号には、古川日出男の、三島由紀夫賞のコメントや桐野夏生との対談も載っていて、古川節が聞けてすごくいい。受賞コメント、私はすごくかっこよくて好きなんだけど、友達にとっては苦手みたいなので、まあ人の感性っていろいろですね。
まあいろいろ、なんて言ってもそれはそれで思考停止だと思うんだけどーー(というかこれは全く持って趣味の話だから、別に問題ではないんだけど)、社会に出ると特に、多様なものの見方という言い方で、自分の偏りを矯正せざるをえない。古川さんみたいに、ガンガンいってる人を見るとなんかうれしいなあ。
でも多様なものの見方だって別に悪いわけじゃなくて、人と話すと、自分ではとうてい開いていけなかった領域にぱっと放られる。すぐに腑に落ちなくても、突然ふっとわかったかも、と思える瞬間が来たりする。それはすごくいいな、そうじゃないといけない気もするし。一人で考えてると、「やっぱあたしはこう思う。」っていうのから逃れられなくて、言ってるうちに苦しくなるしね。


夕飯何食べよう。