大人の、壊れている感じ。

たとえば。
イヤなことを頼まれてイヤだとは言わないんだけど口調で示す、とか。3歳とかの子供に公衆の面前でキレちらす母親とか。(父親はむしろ家の中でキレたりとか。)もう失望しなくなるとか。ご飯を食べても全然おいしいと思えなくてお腹も空かないけど食べてやっぱりおいしく思えないとか。
大人特有の「壊れている感じ」はある。当人たちにとってもどうしようもないんだけど狂っちゃった、みたいな壊れ。

頼むから静かにしてくれ〈2〉 (村上春樹翻訳ライブラリー)

頼むから静かにしてくれ〈2〉 (村上春樹翻訳ライブラリー)

カーバーの描く壊れは、一時的でリカバー可能というより、「あたりまえに壊れていていて、物語の前から壊れ、物語の後も壊れている」という感じですね。ねじれ。
カーバーの作品がお手頃価格で出てきたので、集めるつもり。これまで、ちょこちょことしか読んでこなかった。中央公論ってよく知らない会社だけど、はじめてカーバーの作品のほとんどがここから出てると知ったとき、少し面食らった。でもそれは面食らうようなことではないのかもしれない。