どこでもなくもないのに、ここでしかないというものでもない。

どこにも行かないGW、というかGWはどこにだって行かないものと、思っているのは、人混み、っていうか色々と待つことなんかがそんなに好きじゃないっていうのももちろんあるけど、子供の頃に、GWに旅行するっていうことがなく、だから、旅する考えが、体に染みついていないんだろう。で、GWにしたことと言えば、苦手な読書、最後に読んだのは、連作短編小説だった。長編小説っていいたいくらい、ぜんたいとしては長い。

僕はマゼランと旅した

僕はマゼランと旅した

すごくいいのを読んだなーと思った。『ブルーボーイ』は静かにグッと来る感じ。
典型的な人か、典型的な人ではない自分か、どちらかの物語に私たちはもうちょっと食傷気味かもしれなくて、というか、そういう物語をかたる必要は全然なかったんだ、と、思えた。すごくすごくいい小説。できたら、多くの人に読んでほしいなあ。全然ドラマチックじゃないっていうか、感傷的じゃなくて、力を込めすぎてる感じも過剰な気負いもなく、抑えた感じで、なつかしくていとおしい。あー、全然うまく言えないんだけど、なんかね、いい。あとこの小説は帯もなんかすごくよくて、

驚くべき
語りの技が生んだ
息をのむ傑作!
胸をうつ懐旧の情と祝祭的な笑いに彩られた11の連作短編。
『シカゴ育ち』のダイベック、待望の最新刊。

かっこいーなあ。ふだん「!」ってあんまり好きじゃないんだけど、これはいいなあ。装丁もさいこー。