どうか忘れたままで

学校や職場で、さして共有した時間のなかった人たちのことは、名前を思い出せなくなっている。こういう「忘れかけてる」「うん、忘れたと思う」っていう状態がけっこう好きで、思い出しそうになったときは「思い出しませんように」と思う。
忘れた分だけ、未来があるような気がしてしまうのはたぶん錯覚で、ちょっと酷い話なのだ。