無知の知 無知の無知

無知であることを知らずになにかを断定する。と、その論理はたいていの場合乱暴になる。乱暴な論理や、乱暴な感情は、無自覚に他人を傷つける。
じゃあ話さなければよいのだろうか。しかし、無知な人は話さない、というルールが課されると、ほとんど全ての人から言語を奪うことになる。
むろん私からも言葉は奪われるだろう。知らないことについては沈黙すべきーーという方法をとってしまえば、私は沈黙以外の方法はとれなくなる。どんなときも。(…どんなときも、どんなときも、僕が僕らしくあるためにーー。)
だいたい何を知っているだろうか。最も身近であるところの自己を、知っているだろうか。たいていの暴力は無知から生まれているんじゃないか。自分にたいしてだってその暴力はあり得る。たとえば、ひとの自己評価が高かったり低かったりすると、その暴力的なほどの肯定、暴力的なほどの否定が、周りの世界における自分をどう位置づけるか、どう関わっていくか、を決めるような気がするなあ。ま、どうでもいいけど。