謝謝。

仕事で書くメールは一日何通くらいだろう。5〜10通くらいだろうか。締め切り前はたくさんやりとりするけど。メールでは、感謝を伝えることが多い。その機会は、「メリークリスマス!」なんかよりも、うんと多い。問題は、いうべき言葉が「ありがとうございます」なのか「ありがとうございました」なのか。ということだ。
お店で店を買って出るとき、「ありがとうございました」といわれることがある(というか通常の店であればいう)が、その過去形が、感謝を表明しているようでいて、売った人/買った人の関係や、売買のときに示された感謝は、店を出たときに消えるということを示しているようにも思える(考えすぎのような気もする)。であるからして、なにかを買ったときは、しばらくしないうちにその店に戻るのはなんだか気まずい。考えすぎだろうけど、恩を思い起こさせるのが悪い気がする(特に、街の小さなブティックなど互いに顔の見える関係だったときには尚更だ)。
むろん、店の人だけが感謝を示すというのは、消費者優先の考え方であり、買う側が、お金を寄付しているならまだしも、お金を出して、その対価を商品として得ているわけだ。お客様は神様デスよ、なんてのは、お客様の側から思うべきではない(と同時に、実際お客さまがいないと商売、そして生活が成立しないわけだし、売り手がこのように居直るわけにもいくまい。買う側にとっても大事なお金なのだ)。とはいえ、店を出るときに買った側が「ありがとうございます」や「ありがとうございました」を言うのは、なんだか、社会通念上、具合が悪い(子供の頃、店を出るたびに「ありがとうございました」と言っていたが、しつけがいいのか悪いのかわからない。場合によっては店の人がいう前にすでにいっていたので、聞こえようによっては、「ありがとうもいえないのか、きみは」と非難しているようではないか)。
話題がメールという二次元の世界から、ブティック等の三次元までに広がったが、まあ、メールの相手との仕事関係が比較的長い間に及ぶものであれば、「いつもお世話になっております・ありがとうございます」ですむ話なのでよい。でも、今後、「とりあえずこの人とのこの仕事は最後になる」みたいなことがあったとき、どうすればいいんだろう。「ありがとうございました」といえば、冷たい響きがしないかなあ。そんなこと悩んでるうちに御礼を言い忘れることがより問題なわけだけど。
今日も読んでくださり、ありがとうございます。