東京

出てきたばかりのころは、ちょっとしたことで感じやすくて、不確かな情報で確かな思いを持っていた。
道を歩いていても、そこを歩いていて、とても幸せだと思うことがあった。オザケンの歌を聴きながら本当にこの世界がいとしいと思ったような表参道やなぜか毎日ふと死のことを考えていたお茶の水の道のりを、いまもちょっと幸せだと思う。
いま東京で、仕事場から見る街並みは、やっつけ仕事みたいで、あまり心にはいってこない。大人になったのかなとも思うけど、そうじゃないかもとも思っていて。