まだ全然わかってないんですがいまの段階での感想、とかってあらかじめ防衛してるね自分を。

医療の限界 (新潮新書)

医療の限界 (新潮新書)

一般的な話ですが、無能な人間が権力をもち、しかも勤勉だとひどく有害です。無能な権力者は、せめて怠惰であってほしい。
p141

とか書いてあって、吹きました。
小学校のときに、これはひどい話なんだけど、勉強はすごくするんだけど成績がのびない子がいて、ある程度成績のいい子にこっそりクソマジメバカと呼ばれていたなあ、と思いだした。
著者の本は前にも読んだことがあるんだけど、日本人の死生観が、「死をうけいれない」ものになってる、ということをよく言っている。先日、私も身近に死を経験し、むしろ子供の時は「死んだら死んだまま。」ということがあたりまえだと思ってたのに、「本当に死んじゃったんだろうか? 本当に?」とか思ってる自分がいた。もちろん死は不可逆的であることはわかっているんだけども。
つか医療の問題は根深いですねー。本書でも「制度的に無理なんです」みたいな記述があって、じゃあそれを変えるために動かないといけないのでは、と思ってたけど、あとまで読み進めると、いろいろな工夫を医療現場で実践しているそうです。ちょっといろいろ読んでみないと医療のことはわかんないなと思った。患者側が直感的にいだく医療への思いも、たぶん、かなり偏っているだろうし、当然医療従事者の意見も、一般社会とはずれているところがあるからねー。

貧乏人は医者にかかるな! 医師不足が招く医療崩壊 (集英社新書)

貧乏人は医者にかかるな! 医師不足が招く医療崩壊 (集英社新書)

ムーアのシッコはうのみにしちゃいかんですね。
医療崩壊医療崩壊というけど、たいした病気もしたことがない私からしてみれば、病院にいくとおおむね満足するんだけどな。医師は不足してるんじゃなくて偏在してるだけ。という意見を医師自身からもわりあい耳にします。でも不足してるんだよね。
私も地方の大学の研修医が都会の病院に集まるから医師が不足するっていう情報をうのみにしてたんだけど、都会で、かれらのための需要があること自体(都会に集まる医師が職に困ることがないこと自体)、医師不足を証明してるようなものだということが書いてあって、なるほどなーと思った。