初めてのひと。吉田さん。

昨日買って、昨日読んだ。積ん読状態の本が多いなか、一日で読み切る、ってのは、精神衛生上とてもいい気がした。吉田さんの本を読むのは初めて。恋の話なんだけど、いま、読んでもフラットに読めるかなという気がしていた。

初恋温泉

初恋温泉

「初恋温泉」
物語だけを共有したいのか、物語から逸脱した、どうしても歪んでしまうところを共有してしまうのか。それのどちらが幸せなのかはわからない。ていうか、この物語でいう、幸せ、幸せじゃない、っていうのは、単純に、「うまくいってるとき」「うまくいかないとき」みたいな意味だろうな。
幸せなときだけしか一緒にいない関係もあるし、なぜだか妙にお互いの歪みを見せてしまう関係もある。
海野つなみの漫画で、男の子が、女の子と別れるとき、女の子の表情が歪んだのを見て、「そういう歪んだ表情を前に見てれば別れずにすんだのかも」って思うところがあってーー。 理想も闘いもなく、内で平和をつむぐ小さなコミューン、みたいな関係って、歪みがなくてうまくいきそうな気がするんだけど。少なくとも私にとっても、そういう関係っていくつもあるけど、「悪いところはなにもない」程度のよさはある。
私も歪んだ表情を見せて、相手も歪んだ表情を見せてる関係って、「歪みは確かにある」って感じで、歪んだら自然と仲直りしてるにしても、なんなんだろうな、この関係、と絶えず問いかけている。